令和6年度入選者寄稿文

栗田谿星

詩吟にみちびかれて

 この度、第51回クラウン全国吟詠コンクール決選大会に於いて入賞できたことを心から嬉しく思います。
思い返せば、私が詩吟の世界にふれたのは、0歳の時、詩吟の先生である室橋先生との出会いが始まりです。実は私の母は私が生まれる前から先生に書道と詩吟を学んでいました。いつも2歳上の姉と一緒にお教室に通い、私も生まれた時から詩吟の環境に身を置いていました。私が詩吟を始めるきっかけとなったのは、母と一緒に書道の展覧会に行った時のことです。室橋先生のお教室では、いつも書道が飾られており、詩吟のお稽古の際も、その中で行われていました。ある日、母と一緒に訪れた書道展の会場で、いつものお稽古と勘違いしたのか、私はなぜか詩吟を口ずさんでいました。その様子を見た室橋先生が、姉と私を詩吟の世界へ導いてくれました。初めは、お稽古場に行ってもマイクにしか興味がなく、ただ遊んでいるだけでした。しかし姉が詩吟のコンクールで舞台に立って吟じる姿を見た瞬間、
私は「かっこいい!私もお姉ちゃんと一緒がいい!舞台に立ちたい!コンクールに出る!」という気持ちが芽生えました。その後は、大きな声を出して吟ずることが楽しくなり、伴奏に合わせてさまざまな詩を学ぶようになりました。
しかし、歳を重ねるごとに求められる技術も難しくなり、先生からの注意をうまく吸収出来ない時は悔しさで涙することもありました。今でも自分には足りないところが多くありますが、日々学び続け、自分の吟を磨いていく決意です。
 クラウン吟士としての抱負は、主に二点あります。一つ目は、リサイタルなどでお客様に感動をあたえられる存在になることです。クラウンではリサイタルや模範吟など、他のクラウン吟士の方々の吟に触れる機会が多いので、表現方法を研究していきたいと思います。
二つ目は、詩吟と仕事を両立することです。現在、営業職として働いています。学生の頃に比べ自由な時間を確保することが難しくなっています。仕事、プライベート、詩吟のバランスを自分なりに見つけていきたいと思っています。
最後になりますが、この度クラウン吟士になれたことを本当に嬉しく思っております。名に恥じぬよう、精一杯努力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。