押田輝風
全国吟詠コンクールに入賞して
この度は、第51回全国吟詠コンクール決選大会にて入賞できましたこと大変嬉しく思います。ここまでの道のりは、長く大変だったように感じますが、今回無事に入賞できひと安心です。
3歳くらいから祖母に連れられ詩吟教室に行ったのが吟詠との出会いです。幼い頃は舞台に立つのが嫌で泣き喚いていた記憶があります。そんな時は祖母が一緒に付き添って舞台に立ってくれていました。舞台は嫌いな私でしたが、練習に行くのは好きで、毎回周りの大人からお菓子をもらったり、とても可愛がってもらっていたように思います。
小学生になってからは、大人がいない青少年の教室に通うようになり、毎回詩吟の練習だけには留まらず、みんなで宿題やゲームをしながらも楽しく練習していました。中学生時代はしばらく部活動が中心となっている期間もありましたが、コンクールや発表会には参加していました。
高校2年生の1年間はアメリカ、イリノイ州のチェスタートンHigh schoolに留学していました。その高校には日本語の授業があり、そこで日本語や詩吟などの日本の伝統文化などお話ししてきました。授業や地域の活動の際、みんなの前で詩吟を披露する機会もありディープな日本文化に感動していました。クラスのみんなは日本語やアニメ・漫画などの日本文化にとても興味をもっていて、そんな日本語クラスの友達にみんなが知らない日本の文化を見せてあげることができてよかったなと思います。今でも留学していた時の友達とはSNSなどで連絡を取り合ったり、昨年も17年ぶりに日本で再会しました。
社会人になってからはサービス業に従事しているので、週末に休みをとることが難しく、
詩吟と仕事との両立が大変だなと思うこともありますが、ここまで続けてこられてよかったなと感じています。コンクール以外にも毎年1月に行われている『とやま青少年伝統芸能祭』。詩吟や剣詩舞だけではなく日本舞踊や邦楽の方と協演する貴重な機会です。毎年お声がけいただけることに感謝し、また漢詩だけではなく和歌や俳句、来年は新体詩をするなど新しいことにも挑戦できるいい機会です。
最近では仕事で海外の方と接する機会も多く、日本の文化に興味をもっていらっしゃり、日本での研修中には、茶道や神道などを学ぶカリキュラムが組まれています。またオリンピック競技にもある柔道や空手はヨーロッパでもポピュラーなようですが、詩吟は初めて聞いたと言って喜んでいただけました。せっかくの機会なので英語でもっと日本の文化などについて説明できたらと思います。
日本でも若い子で詩吟を習っている子や知っている子は少ないと感じますが、機会があれば日本だけではなく海外の方にも詩吟の良さを知ってもらえたらと思います。今後は、入賞できたことに奢らず、ますます精進していきたいと思います。入賞できたもの指導いただいている先生や諸先輩方、吟友、家族の支えがあったからこそと思っております。みなさまには感謝しかありません。ありがとうございます。また今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。