令和6年度入選者寄稿文

奥山美風

大会を終えて

 この度は、第51回日本クラウン全国大会におきまして、『漢詩の部』第四位入賞の栄誉を賜り大変光栄に存じます。当日、審査員をしてくださった先生方ありがとうございました。
又、朝早くから夜遅くまで大会運営をして頂いた役員の皆様ありがとうございました。
大会では一曲目に頼山陽作「舟大垣を発し桑名に赴く」二曲目に劉禹錫作「秋思」を吟じさせて頂きました。「舟大垣を発し桑名に赴く」は木曽川を下る舟旅の情景を描写し、故郷への郷愁を感じさせる詩です。一方、「秋思」は秋の寂寥感と作者の感慨を表現しており、どちらの詩も作者の心情をくみとり表現しなければならないとても難しいものでしたが、時間をかけて丁寧に詩文と向き合いました。詩吟を通じて、言葉の持つ力や美しさを再認識することができました。また、詩吟を愛する多くの方々と交流し、共に学び合う機会が得られたましたことも、大変貴重な経験となりました。
 詩吟の世界は古典文学の深い知識と感性を必要とし、今回のコンクールを通して私は更に詩吟の奥深さを学びました。詩吟は私にとって心のやすらぎであり、日々の生活において欠かせない存在になってきております。そして、日頃から私を支え、応援、協力をしてくれる家族や友人に心から感謝いたします。特に家族の支えと理解がなければこの様な成果を得ることはできなかったと思います。わたくし自身、後悔のないよう練習に励みました。
入賞を目指すというよりも「やりきる」に焦点を合わせて練習したので「練習通り、練習を信じて、楽しんで」をモットーに舞台に立ちました。とは言っても緊張で楽しむ事はとてもできませんでしたが、今は楽しい思い出となりました。何よりも決勝で全国から来て下さった12名の先生方に私の吟を聞いて頂けた事はこの上ない喜びです。御礼申し上げます。私にとって「舟大垣を発し桑名に赴く」と「秋思」は生涯大切にしたい作品です。
時間が経てば詩文から感じ取る想いも変わるかと思いますが、そこのあたりも楽しみながら吟じ読けたいと思います。
 今回、日本クラウン吟友会会員になることができました事を、とても嬉しく思います。
吟友会のことについては右も左もわからない状態ですが、「楽しむ」をモットーにお付き合いしていければと思っています。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
これからも詩吟の道に励み、更なる高みを目指して頑張ろうと思います。