令和4年度入選者寄稿文

岩本柊摂

振り返って

この度、第49回クラウン吟詠コンクール決選大会におきまして入賞させていただき誠にありがとうございました。全国大会に出場できたこと、そして決選吟詠に残ることが、出来たことだけでも大層喜んでおりましたのに入賞者として名前を呼び上げられた時は夢でも見ているようでした。
その感動と喜びは今でも忘れられません。

私が詩吟を始めたのは、3歳ごろと聞いております。祖母が詩吟の師範でしたので物心つく前から、入会させていただいております。入会当時のことは記憶にありませんが詩吟を通じて多くのことを経験させていただきました。振り返って見ますと我ながらよく続いたものだと思うことがしばしばあります。
幼少期の私は音感がよろしくなく、練習を重ねても正確な音が安定して出すことが出来ず、大会に出場してもよい成績を残すことができませんでした。
それに対して祖母は出場するたびに、煌びやかなトロフィーや盾を持って帰ります。それが私には羨ましく、早く自分も貰えるようになりたいと思ったものでした。加えて同じ教室に通っていた、友人や私の妹が各種の大会に進んで行くのを眺めることしかできず、悔しい思いをしていました。劣等感のようなものも感じ何度も辞めたくなりましたが、その様な私を諦めることなく熱心に指導してくれた祖母には感謝しかありません。やや早く訪れた声変わりによる休養を経て、漸く音感も良くなってきて、ありがたいことに各所で評価していいただく機会が増えてきましたが、いまだに祖母は、私の雲の上の人であることには変わりなく、憧れであり目標であります。今回の入賞で、その祖母と元気なうちに同じ舞台に立てるチャンスをいただき、幸甚の至りです。

吟者として人としても未熟な私ですが、さらに気を引き締めて修練に励み邁進してまいります。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。