令和5年度入選者寄稿文

荒木優岳

詩吟に出会って

私は40代後半に初めて詩吟と出会いました。
それまでは詩吟に全く興味がなく、むしろ好きではありませんでした。
偶然、引越しさきの近所の方に生徒がいないので、なまえだけでもと強引に誘われ、断り切れず習うことになりました。以来、25年、現在に至っております。
最近まで私の吟の指導をして下さった先生は、本当に素晴らしい吟をなさる方で、私がこうして長きにわたり吟を続けてこられたのも偏に、その先生の情熱あふれる吟に夢中になってしまったからだと思っております。
 とはいえ、洋楽が大好きだった私が「何故?」と自問自答することは今でもあります。
その様な訳で、私は憧れの先生の教室に毎回、胸を躍らせながら、せっせと通いました。でも、現実は厳しいもので何年たっても上達しません。私が吟ずるとお経のようになってしまうのです。少節も止めも苦手で、声も小さく細く、更に耳にする用語も沢山あり、初めはなかなか理解できませんでした。
それでも吟友たちと一緒に学ぶ面白さを満喫して、あっという間に月日が過ぎ去りました。

気が付けば私も十分な高齢者。憧れの先生には程遠い吟者でおわりそうですが、詩吟に関わることができて悔いはなく、むしろ素敵な趣味を持って本当に良かったと思っております。
お蔭様で今年の、クラウン全国吟詠コンクールに入賞させて頂きました。
関係者の皆様今後ともよろしくお願いいたします。