令和5年度入選者寄稿文

江田浩鳳

詩吟と出会ってか50年 お導き頂いた皆様に感謝します

この度は第50回クラウン全国吟詠コンクール決選大会「短歌」の部で栄えある賞を賜り誠にありがとうございました。
 先ず、ご指導を戴いた白鳳流吟詠会宗家、土井白鳳先生並びに会長土井啓輔先生に心より感謝申し上げます。
私の詩吟との出会いは、就職して間もなく職場でのサークル活動をしていた先輩からの誘いで19歳の春でした。
私にとって声をだすことに抵抗はありませんでしたが、詩吟は年配の方たちがするものだと思っており、そんなに長くは続かないだろうと思いながらも、何となく続けておりました。
その様なある日、サークルで習っていた流派の競吟大会に出場してみないかと言われて初めて舞台で吟ずることになりました。
当時は「新人の部」だけで150名くらい出場者がおり、緊張しながらも意外と「無心」で吟じ終えることができました。当時はまだ伴奏音楽もない時代で、心配していた前の吟者の音程に惑わされることもなく、よくも自分の音程で吟じられたものだと今になって思います。その結果、予想もしていなかった自分が30位くらいに入り、仲間たちも驚き、最もびっくりしたのは本人の私でした。若輩であった当時の心に残る思い出です。
 その後8年が過ぎ、ご指導をいただいていた田中鶴春先生が高齢になり、お稽古を続けることがご無理となり、サークル活動の解散、自身の転勤などで詩吟とは疎遠になってしまいました。

20年の歳月が経てある日、職場の先輩で現在、白鳳流金鳥吟詠会上席師範の美仙爽鳳先生よりお誘いがあり、久しぶりに拝聴する吟のながれは、依然習っていた節調とも似ていて感銘を受け、再出発を決断し、本格的に宗家土井白鳳先生よりご指導を受けることとなりました。
白鳳吟詠会では、漢詩の中でも数多くの絶句と律詩、古詩の他和歌に至るまで詩文の説明時代の歴史的背景等奥深く細やかに教えて頂き、自分の足りない発声の方法を啓輔会長より、徹底的にご指導いただいております。
テレビの歴史番組では、詩吟で学んだ知識と重なり、その時代に思いを馳せたり、また詩文を読み返したりしてより興味がわきます。これからも、詩吟や和歌を朗誦し、日本の古典芸術の味わいや楽しみを微力ながらも伝えていきたいと思っております。
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。