令和5年度入賞者寄稿文

田代筑香

「日本クラウン全国吟詠コンクール」との出会い

「第45回日本クラウン九州地区大会」が佐賀県で8年前の7月に開催され、私にとって初めて挑戦となった時の事を、今でも鮮明に思い出します。
 その時の私は、家庭の事情で「欠吟」のつもりでおりました。
大会の2日前でした。「お母さん全国大会は10月でしょう! その頃には私、きっと元気になってるから、佐賀大会、頑張ってきて!」
 その年の五月に、突然自宅で倒れ、心臓の緊急手術を受け、一命を取り留めた娘からの言葉でした。娘から背中を押されたことから、私は練習不足の不安はありましたが一縷の望みをかけて出場しました。
運良く予選を通過でき、これがクラウン全国大会挑戦の始まりでした。
2回目の全国大会後から、佐賀岳翠会会長 渕上岳恵先生の「詩吟セミナー」を受講することになり、今日に至っております。今回の入賞も、渕上先生との出会いがあってこそ得られた事と感謝しております。
 娘も、今では仕事と男の子2人の子育てに、奮闘の毎日を送っております。
当時、生後1カ月で、突然「粉ミルク」で育てることになった、下の子も小学1年生になりました。
 入賞の報告を、ホテルからビデオ通話をした際は、家族全員が拍手で祝ってくれました。6回目の挑戦で念願のクラウン吟士に、これでやっと娘との約束を果たせたことに、嬉し涙が出ました。「人生百年時代」今年「76才」の私ですが、まだもう少し時間がありそうです。これからも健康で、もっともっと詩吟を楽しみたいと願っております。